ウェザリング“汚し塗装”が解らない!その1
アニメロボット等における汚し塗装 “考え方編”



この頃、なぜかウェザリング“汚し塗装”の事について聞かれる事が多いので、別件でテキストにした物をHPで紹介しますね。

自分のウェザリングの考え方

人それぞれだと思いますが、自分は基本的に3通りの目的を持っておこないます。 


第一は状況説明的な使い方…

単品のみでは中々その機体の運用方法や用法が掴みづらい時に作品を見る者に“解り易く”する事を目的としてウェザリングを施します。
特にMS等は“汎用機”として劇中で扱われているので、用法が様々です。
だから、見る者がどのような状況下で使用している機体なのかをある程度限定し、
ある程度“解り易く”する為の状況説明的な使い方のウェザリングです。

例えば、足元が泥で汚れていたら地上等の重力下で使用している事が解ります。
もっと突っ込んでやると、乾いた泥汚れなら乾燥地帯で、ウエットな泥汚れなら泥たん地、
黄色い泥、黒い泥、赤い泥、茶色…等でも地域を限定する事が出来ます。
黒ならロシア辺り、赤ならオーストラリア等…

当然、状況説明的な物ですから、本来汚れの付くはずの場所でも場合によって付けない事もあります。
ですから、リアルである事とは別次元の物として考えてください。

先述の泥汚れ等、場合によっては腰やヒザ等に付着する場合がある訳なんですが、そ
こまで付けてしまうと、くどくなったり、見た目に汚く見えてしまったりして、
見る者が理解するに必要な情報量以上のウェザリングを施してしまう事になりがちで
す。
見る者が解るギリギリの所で加減するようにした方が清潔感は出てきます。
綺麗な所が無いと汚れも引き立ちません。要は状況説明の記号の一つなのです。



第二にリアル感の演出…

上記の状況説明を、もっと細かく表現する事で、精密感、スケール感、より機械らしさの演出を盛込む目的でほどこす物です。

例えば、バイク等の排気管の熱による金属の焼け、バーニアノズルのスス汚れ、雨だれ、水垢、サビ等がこれにあたります。
はげチョロもこれにあたるのですが、自分的には後述する“立体感の強調”に重点を置く事が多いので、そこで細かく説明します。

特にリアル感の演出においては、“観察”がモノを言います。
例えば、金属上の塗装が剥げた場合、剥げた場所は実際には何色になっているか。
また、剥げ方は一般的にどの様に剥げていることが多いか。
剥げてからの時間経過及び環境的変化“天候、季節、運用等の変化”が影響する金属地、塗膜の変化など、
観察して行くと本当はどうなのかが解ってくるはずです。

逆を言うと、ウェザリングに正解は無いのです。
それぞれの人の目で観察、研究した物を試行錯誤しながら模型に反映させていくものですから、それぞれの正解があると思います。

最初はAFVやカーモデル等の作例を観察してどの様に汚しているかを研究してもいいと思いますが、
常に“本当にこれでいいのか?”という思いは必ず持っていて下さい。そうでない
と、進化してI行けなくなってしまいますから。

また、実際はこうだが、模型的見栄えとして有効かどうかを判断して、それをある程度ディフォルメする事もモチロン必要です。
その辺のサジ加減が個性であり、難しい部分ではあります。



第三に立体感の強調

立体感の強調としてガンプラ的には“MAX塗り”がある訳なんですが、
スケールモデルでは昔から良く立体感の強調としてのウェザリングがされてました。

主に光を彩色で調節してスケール感を演出する為の方法と、
剥げチョロにて立体の輪郭にあたる部分に“輪郭線”の様に剥げチョロを施し、輪郭
を浮き出させる事で立体感を演出
するという方法があります。

これはスケールモデル的発想なんですが、スケールモデルは立体物の形になる部分は縮尺出来たとしても、
色、光の粒子までは縮尺できない…
という事を考慮して、色や光、陰を縮尺できたかの様に視覚的にエフェクトし、それに
よって立体感を出そうという物です。

例えば、実際に近くで見ると陰が出来ていないモノだとしても、遠くから離れて見ると陰が落ちて見える様な事があります。
これは近くでは陰の粒子が粗く、遠目ではその粒子が詰まって陰に見える事がその原因なのですが、
それを書き込んでやることでより立体感が増し、おもちゃっぽさが無くなる訳です。

理想としては、写真に撮った場合に、本物と間違えてしまう位の演出が理想的なんですが、
物理的にかなり無理があったりしますから、
それに近くなれれば…と思いながら私は日々研究しています。



一応次もテキストが出来次第アップしようと思いますので…

リクエストや取上げて欲しい事、技法などお寄せくださいね♪

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